このシリーズでエリオットと、オアシスを追ってきました。
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エリオット
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オアシス
ところで、一つ疑問が浮かびます。
「アクティビストは本当に収益を得ているのか?」
大量保有報告書だけ見ていると、取得価格と売却価格の差がわかりにくく、「収益を得ていないのでは?」という印象を持ってしまいます。
今回は、大量保有報告書の数字を使って、アクティビストの収益構造を読み解いてみます。
報告書からわかること・わからないこと
大量保有報告書には以下が記載されています。
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取得した株数と保有割合
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最近60日間の取得単価
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取得資金の総額
つまり「いくらで買ったか」はある程度わかります。
一方で「いくらで売ったか」は基本的にわかりません。5%を割り込んだとき(変更報告書)に保有割合の変化はわかりますが、売却単価は記載義務がないからです。
では、どうやって収益を得ているのか
アクティビストの収益構造は大きく3つです。
① 開示そのものが株価を上げる
大量保有報告書が出た瞬間、市場は「何かが変わるかもしれない」と反応します。
エリオットが東京ガスの5%超保有を開示した翌日、株価は前日比15%高の4,393円まで上昇しました。
この時点でエリオットの平均取得単価は約3,322円。開示翌日の高値で計算すると、含み益は約+32%に達していました。「報告書を出すだけで含み益が膨らむ」という構造です。
② 企業を動かして株価を上昇させる
開示後、エリオットは東京ガスに要求を出し続けました。自社株買い・不動産売却・ROE改善。東京ガスはその方向に動き続けました。
エリオットはこれまで649億円を投じ、東京ガスの株式の5%超を取得しました。649億円の投資に対して、その後の株価は一時6,000円台まで上昇。取得単価3,322円からの上昇率は約80%に達しました。
③ 「介入期間株価変化率」で見るとどうなるか
厳密な利益計算は難しいですが、「初回報告書の5営業日前の株価」と「5%割れの変更報告書の5営業日前の株価」を比較することで、介入期間の株価変化率を概算できます。
東京ガスの場合:
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介入前(2024年9月頃):約3,300円台
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5%割れ時(2025年4月):約4,600円台
介入期間の株価変化率:約+39%
これは「エリオットの利益率」ではありません。ただ「エリオットが介入していた期間に株価がどれだけ動いたか」という事実を示しています。
オアシスの場合はどうか
オアシスの豊田自動織機への介入はよりシンプルです。
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介入前株価:約17,690円(2025年12月10日)
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TOB最終合意価格:20,600円(2026年3月)
介入期間の株価変化率:約+16%
ただしTOBケースは特殊で、株価がTOB価格に収束する動きをします。オアシスが「TOBが安すぎる」と主張して価格を引き上げさせた結果、株主全員が恩恵を受けた形です。
報告書が出た瞬間に何が始まるか
アクティビストの収益は複雑ですが、「大量保有報告書の提出」が起点になることは共通しています。
報告書が出た瞬間に:
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株価が動く可能性が生まれる
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企業が動き始める可能性が生まれる
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その後の展開のヒントが「保有目的」欄に書いてある
「重要提案行為を行うことがある」という一文が報告書に現れた瞬間——それが全ての始まりです。
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