📂 「エリオットを追う」シリーズ #1 NIPPON EXPRESS編 / #2 東京ガス編(前編)/ #3 東京ガス編(後編)/ #4 豊田自動織機編(本記事)
このシリーズでは、エリオットが東京ガスに登場した話を2本書きました。
エリオットは去年末に、もう一つ大きな動きをしていました。豊田自動織機です。こちらは東京ガスとは少し異なる、より複雑な案件でした。
まず、何が起きていたか
2025年6月3日、トヨタグループのトヨタ不動産が、豊田自動織機を非公開化するためのTOB(株式公開買い付け)を発表しました。買付価格は1株16,300円。
ところが、この価格はTOB発表前日の終値18,260円と比べて約10.73%のディスカウント価格でした。通常、TOBでは既存株主の応募を促すためにプレミアムを付けるのが一般的です。ディスカウントでのTOBは異例のことでした。
市場は静かに、しかし確実に「何かがおかしい」と受け止めていました。
大量保有報告書が提出された日

2025年12月10日、エリオットが豊田自動織機の大量保有報告書を提出しました。
株価はその日、17,690円で引けました。東京ガスのときのような翌日+15%という瞬発力はありませんでした。
ただ、チャートをよく見ると、12月10日を境にじわじわと上がり始めています。市場が「エリオットが入ったなら、価格は動くかもしれない」と織り込み始めた動きです。
エリオットはその後、2026年1月22日に保有比率の増加を開示し、増加後の保有比率は自己株式控除後の発行済株式数に対して7%超となりました。
買い増した。つまり、本気だということです。
エリオットの主張
エリオットは「本源的価値は1株26,000円超であり、TOB価格をほぼ40%上回る水準だ」と主張し、TOBへの反対を表明しました。
さらにエリオットは「スタンドアローンプラン」を公表します。豊田自動織機が独立上場を維持したまま経営を改善すれば、2028年までに1株40,000円超も可能だという提案です。
アクティビストが「非公開化反対・上場維持」を主張するのは異例のことでした。
結末
2026年3月2日、トヨタ陣営はTOB価格を18,800円から20,600円に引き上げると発表。エリオットも条件付きで合意し、成立に向けて前進しました。
当初価格16,300円から始まったTOBは、最終的に20,600円で決着しました。約26%の価格引き上げです。
チャートで見ると、報告書提出日の17,690円から最終合意価格の20,600円まで、約3ヶ月で+16%動いたことになります。
東京ガスとの違い
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東京ガス
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報告書翌日の動き:+15%(瞬発)
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その後の動き:じわじわ上昇
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エリオットの手法:経営改善の要求
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結末:現在も保有継続中
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豊田自動織機
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報告書翌日の動き:ほぼ変わらず
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その後の動き:じわじわ上昇
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エリオットの手法:TOB価格引き上げの要求
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結末:TOB合意・決着
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東京ガスは「じっくり圧力をかけて企業を変える」型。豊田自動織機は「TOBという明確な価格交渉の場で戦う」型。どちらも大量保有報告書が起点でした。
大量保有報告書が教えてくれたこと
報告書が出た瞬間、「エリオットが動いた」という事実は公開されます。その後どうなるかは誰にも断言できませんが、少なくとも「何かが変わる可能性」が生まれたことはわかります。
大量保有報告書は、そういう情報です。