大量保有報告書の制度改正、3つのポイントのうち今回は「みなし共同保有者」を取り上げます。
そもそも「共同保有者」って何?
大量保有報告書は、上場企業の株を5%超持った投資家が提出する書類です。ただし、1人で5%に届かなくても、複数の投資家が連携して株を持っている場合は、その合計で判定されます。この「一緒に持っているとみなされる人たち」のことを共同保有者と呼びます。
その中でも、明示的な合意がなくても一定の関係性があれば自動的に共同保有者扱いになる——これが「みなし共同保有者」です。
今回の改正で何が変わったか
改正前は、夫婦の関係と一定の資本関係がみなし共同保有者とされていました。今回の改正で夫婦の関係が外れ、代わりに新たな5類型が追加されました。
外れたもの:夫婦の関係
これまで夫婦は自動的にみなし共同保有者とされていましたが、今回の改正で除外されました。ただし、夫婦間で実質的に連携している場合は引き続き共同保有者に該当します。
新たに追加された5つの類型
以下のいずれかの関係にある場合、みなし共同保有者とみなされます。
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会社とその代表者・担当役員の関係
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代表者や担当役員が同一人物である2つの会社の関係
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取得資金を提供し、かつ株式取得を要請した側と受けた側の関係
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株式の取得を要請し、後で自分に譲渡させる目的で買わせた関係
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重要提案行為(経営への関与)の実施を要請した側と、それに従った側の関係
要するに、役員を兼任しているだけで2社が一緒にカウントされるようになった、というのが最もイメージしやすい変化です。
なぜこれが重要なのか
これまでは、実質的に連携しているファンド同士でも、明示的な合意がなければ別々に報告すればよかったケースがありました。
今回の改正で、役員兼任や資金提供といった「関係性」があるだけで合算対象になります。実態として連動して動いていた投資家グループが、より正確に開示されるようになる、ということです。
投資家の立場から言えば、これまで「なぜこの会社にこれだけの株主が集まっているのか」が見えにくかったケースが、報告書から読み取りやすくなります。
5月13日までに報告が必要なケースも
5月1日の施行時点で、新たにみなし共同保有者に該当することになった方は注意が必要です。保有割合が1%以上増加する場合、5月13日までに変更報告書の提出が必要です。