先週の週次のまとめを書いたとき、対句として、投資会社の名前を一つだけ出した。MI2という名前だ。オアシスが大きな割合で何社にも持つのに対して、こちらは一つの会社を1%ずつ、細かく積んでいる——と、そう書いた。
書いたあとで、気になって、原本を開いてみた。そうしたら、そこにあったのは、通知の一行から思い浮かべていたのとは、少しちがう姿だった。
「MI2」は、一者ではなかった
⭐には、いつも「MI2」という一つの名前で出てくる。でも原本の表紙には、提出者及び共同保有者の総数、という欄があって、そこに「2」とか「3」とか書いてある。
プリモグローバルホールディングス(367A)の、7月30日提出のぶんを開くと、こうなっていた。
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ある個人の共同保有者……8.75%
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MI2(法人)……1.58%
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合計……10.33%
⭐に「MI2 10.33%」と出ていた、その10.33%は、二者の合計だった。しかも大きいほうは個人で、MI2という法人そのものは、1.58%しか持っていない。
メタルアート(5644)は、もっとはっきりしていた。7月27日提出のぶんは、共同保有者が三者。
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ある個人の共同保有者……8.80%
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MI2(法人)……8.98%
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MI5(別の法人)……3.40%
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合計……21.17%
「MI2 21.17%」の下には、一人の個人と、二つの法人がいた。
以前にも一度、⭐に並んだ一つの名前が、実は連名の代表だった、という回を書いた。表示される名前は、いちばん前に立っている一者にすぎなくて、割合はうしろにいる全員の合計になっている。今回もそれだった。「誰が、どれだけ持っているか」は、表紙の次のページをめくらないと分からない。 ちなみに保有目的の欄には、増配や自己株式取得、非公開化といった提案を行う可能性がある、と書かれていた。ここも、原本を開かないと出てこない。
それでも、動き方は「小さく、何度も」だった
もう一つ、原本を開いて分かったことがある。最初に「1%ずつ積んでいる」と書いた、その積み方の中身だ。
報告書の後ろのほうに、最近60日間の取得の記録という欄がある。そこを見ると、想像していたより、ずっと細かかった。プリモグローバルのぶんには、5月から7月にかけて、ほぼ毎日のように、数千株ずつ買った跡が、四十行近く並んでいる。一日で数百株、という日もある。派手な一撃は、どこにもない。小さい取得を、来る日も来る日も、積み重ねている。
だから、変更報告書の番号も進む。1%増えるたびに出すので、プリモグローバルはこれで第4号、メタルアートにいたっては第10号だった。同じ会社に、十回。⭐には毎回「MI2」と出るけれど、一回ぶんの変化は1%前後で、小さい。だから、一日ぶんの通知だけを見ていると、たぶん通り過ぎる。
大きく見えるものと、大きく報じられるものは、ちがう。この積み方は、一日ずつ見るといちばん地味で、二か月ぶんを並べて、はじめて形になる。
一つの名前の、次のページ
⭐は、大きな動きを目立たせるための欄だ。でも、目立たせるために一つの名前でまとめると、その下の内訳は、どうしても畳まれてしまう。「MI2」という四文字は入口で、二者や三者の内訳は、原本の次のページにある。
Martifyの通知からは、その原本にワンクリックで飛べるようにしてある。気になった一件があったら、表紙の「共同保有者の総数」という欄の数字だけでも見てみると、いいかもしれない。一つの名前が、いつも一者とは限らないことに気づく。
以前、⭐に並んだ同じ名前が、同じ主体とは限らない、という回も書いています。今回の「一つの名前の下に、何者かいる」と、地続きの話です。あわせて読むと、⭐の名前の見え方が、少し変わるかもしれません。
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